コラム

プラスチックごみの脅威

皆さんは最近問題視されている海中のプラスチックゴミに関して、海における食物連鎖との密接な関係性をご存知でいらっしゃいますか。皆さんが街中でご利用になったレジ袋や食品包装など、プラスチック製のパッケージや製品は、きちんとしたゴミ処理やリサイクル回収などが行われていないと、街からそのまま川や海などに流れ込み、そのまま海洋をプラスチックゴミとして漂うことになります。プラスチックは、海洋に潜り込むと強い太陽の光のもと、劣化し細かい破片として微細化するなかで「マイクロプラスチック」などといったプラスチックの細かい破片となって海洋を漂うようになるそうです。海洋を漂うプラスチックの小さな破片は、小魚や鳥たちにしてみると、まるで餌となるプランクトンなどのようにキラキラと光って見えるため、小魚や鳥たちはそれらのプラスチックを捕食してしまうなどといった実態が、各メディアを通じて報道されております。また、マイクロプラスチックとは別に、細分化されずに海を漂うレジ袋やビニール類は、海中を浮遊するクラゲに見えることから、クラゲを捕食する中型・大型の海洋生物がビニールをそのまま飲み込んでしまうというような状況が海の中で起こっているようです。プラスチックは人間が産業や暮らしの中で排出した化学物質などをスポンジのように吸着させることで毒性を蓄え、さらには毒素をもったマイクロプラスチックを、捕食した小魚を中型の魚が捕食し、大型の魚が食物連鎖の中で中型の魚を捕食していく段階で、毒素が濃縮されてしまうなどとも考えられているようです。皆さんもお気づきの通り、そのような海の食物連鎖のなかで魚介類を捕食する人間たちにとって、プラスチックゴミは紛れもなく毒性をもった脅威とも言える存在となってくるのです。