コラム

失われていく醤油の香りや風味を残す難しさ

日本の食卓に欠かせない調味料といえば、味噌や醤油が思い浮かびますが、いずれも包装容器となると数々の機能性を考慮する必要があります。たとえば、醤油の製造は原料となる大豆や小麦、さらに米といった穀類を蒸したり炒めたりしたうえで、作られた麹に塩水が加えられ、発酵と熟成で「もろみ」がつき、さらに圧搾、火入れを経てようやく完成です。このような手間ひまかけることで、あの醤油独特の香りと風味が備わっていくもので、そのもととなるアミノ酸や還元糖なども包装容器は逃がすことなく保存していく必要があります。これら、風味や香りが失われていく様子は、購入時の容器から食卓で使用される醤油さしに移したあと、注意して見ていくとその変化が一目瞭然です。さらに、最近の調理品によくみられる添付されている小袋の醤油も同様で、いずれも香りや風味を醸し出す成分が酸化していくことで起るものです。