コラム

遮断性とは真逆な適度な通気性が必要な納豆

プラスチックを使った包装容器で課題となるのは、通常は腐敗や変質を促進する酸素や水蒸気、紫外線といった外部要因を如何に遮断できるかですが、食材によってはそうではないものをあります。そんな食材の一つが、昔は稲わらで包まれていた納豆で、納豆菌による煮豆の発酵を経て出来上がる食材であり、包装後も食べるまでは発酵を促すための通気性などが必要となります。納豆は、発酵中は適度な温度と湿度を必要とするため、保温性や保湿性が必要となり、一旦購入者の手に渡ったあとは保存のため冷蔵されることが一般的となれば保冷性もさらに必要とされます。これらの要求を満たすため、いろいろ検討された結果が現在の発泡ポリスチレンといった皿を兼ねた包装容器にポリエチレンのフィルムの載せただけの構成で、使われ出したのが20世紀中頃と言われています。